大雪山・十勝連峰縦走~初日、2日目~

初日 旭岳~白雲岳避難小屋

仕事や移動の都合もあり、それぞれ飛行機で旭川空港に待ち合わせ。
早めに着いた我々は事前に手配をしていた「ガス缶」を総合案内所へ受け取りにいく。
※2025年7月1日より旭川空港内のローソンで購入可能

事前に旭川電気軌道バスの時刻表を調べると10:02出発があり午前中には旭岳ロープウェイ駅まで移動が可能。
予備日を設けるため、その日のうちに入山してしまうスケジュールを組んだ。

無事に仲間と合流ができ、「熊スプレー」の配送を手配した最寄りのヤマト運輸と、最後の買出しに地元コンビニ「セイコーマート」へ立ち寄り、今回はそのままタクシーで登山口の旭岳ロープウェイへ向かう。空港から13,000円と割高だが、人数がいれば前泊して各荷物を準備をするよりは時間もコストも節約できる。

予定通り11時に旭岳登山口に到着。旭岳ロープウェイ駅から姿見駅は、もちろん自分の足で2時間半をかけて登ることも可能だが、ここは楽をして10分で姿見駅まで。

姿見駅からすぐの遊歩道から見る旭岳

晴天で風も穏やか、日程後半はちょっと天候が崩れる予報だったが、過去2度、悪天候で撤退の苦い経験を忘れるくらい幸先のよいスタートが切れた。

旭岳から眺める縦走路、この時期しか見れないゼブラ柄の山並みと遥か遠くに十勝連峰が見える。「あの場所まで行けるのか?」

遠くに見える縦走路

荷物の重さに身体が慣れぬまま、さっそく北海道最高峰「旭岳」(2,291m)を越えると、今日歩く道のりと宿泊地の白雲岳が一望でき、雄大な景色にテンションが上がる。

右奥が白雲岳 その裏側が今日の宿泊予定地
この日の為、冬に練習をしたチェーンスパイクで雪渓をくだる
御鉢平のふちを歩く
荒涼とした大地と雪渓を繰り返し歩いていく
白雲岳分岐を過ぎると、まもなく避難小屋が見えてくる

ここ数年、熊出現の報告がある「白雲岳避難小屋」が近づき、警戒をしながらハイ松の中を小屋へと降りていく。
雪渓をくだり終えると水場とテント場を通り、16時に小屋へ到着
この日は穏やかな天候と、他には無い大雪山らしい風景に感動し、綺麗な小屋でスマホの電波が入らない静かな夜を過ごす。

【1日目 距離:11.5㎞ 獲得標高:1,207m】
6月29日(日)管理人が常駐しはじめた翌日、今回は宿泊者が少なく避難小屋へ宿泊。
避難小屋泊3,000円 テント泊1,500円(ともに登山道維持管理協力金1,000円を含む)
※ホームページで事前に混雑具合がわかるようになっている。
トイレもあり(ペーパーは持ち帰り)

2020年に建て替えられた綺麗な小屋
最高な景色で朝ごはん 次の宿泊地トムラウシ山、その奥に十勝連峰が見える

2日目 白雲岳避難小屋~南沼野営指定地(予定)

朝食をすませて5時に歩き始め。この時期の北海道は3時半頃から明るくなりはじめ、20時頃に暗くなるため行動時間は長く取れる。
ここから先、お花畑が続く高根ヶ原を歩く。
直前にヒグマ出没で閉鎖になった三笠新道の分岐を通る為、時折吹くホイッスルと音楽を流しながら進む。

高根ヶ原と高原沼
直近に三笠新道はストーカー熊が出現したらしく閉鎖

忠別沼から忠別岳、五色岳と100mや200mの標高差の丘のような大地を進む。
いよいよ、アイヌ語でカムイミンタラ「神々の遊ぶ庭」と呼ばれる高原の核心部へ、こんな山奥に高山植物が咲き乱れる場所があるの?と思えるくらい開けた場所を歩き、しばし感動する。
ちなみに「トムラウシ」はアイヌ語で花の多いところという意味。

丘を越えて行く
お花畑が続く
トムラウシ山を前にカムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)が広がる

化雲岳を越えてトムラウシ山が近づくにつれ雲行きが怪しくなってきた。この先の進行を悩んでいると、稜線で運よくスマートフォンの電波が入りメールが受信できた。
株式会社ヤマテンが運営するWEBサイト「山の天気予報」に山を登録すると毎日気象情報をメールで送ってくれるサービスを利用しており、今日、明日の天気概要を確認。「午後から風雨が強まるとともに、ところにより雷の可能性あり。」と「明日は午前中は晴れ、午後から雨や雷雨の可能性」との予報。
開けた場所でのテント泊も危険かと判断、これからの移動も明日の早朝に天気の回復を賭けることにした。

時間はまだ13:00と早いが、このまま南沼野営指定地に進まず、予定より3時間ほど手前のヒサゴ沼避難小屋へ
【2日目 距離:19.71㎞ 獲得標高:1,251m】

時間もあるし、明日以降の行動を速くするため食べて減らして軽量化

天気予報通り外は暴風雨となり、明け方まで風が続いた。このまま天候が回復しなければ、化雲岳登山口やトムラウシ温泉口への下山も考えなければならないか…。

つづく

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