ネパールトレッキング 【Day3〜4】

【Day3】
昨日の遅れを取り戻すため、日の出前にボラン(Borang)の村を出発。明け方まで降り続いた雨も止み、徐々に明るくなってきた。林道が山の峰の向こうまで永遠と続いている壮大な景色だ。学校や仕事に出かける村人達ともすれ違う。当然だけど、この景色にも日常の生活があるんだよな。

雲が抜け7,000mを超えるガネッシュ・ヒマール(Ganesh Himal)が見えたときには、圧倒されしばし立ち止まり見惚れるてしまう。

山を迂回するように永遠と林道が伸びている
ガネッシュ・ヒマール(Ganesh Himal)7,422m

昨日、宿泊を予定していたティプリン(Tipling)1,890mには予定よりも早く着いた。
この先の難所を越える前、補給の為に商店を探していると遠くで手を振るガイドを発見!
スマホの電波が入るまでは、もう会えないと思っていたが奇跡の再開。ガイド会社の伝言を聞き、ここまでやって来ていたそうだ。
しかし、この先の道のりも、我々の後ろから付いてきて、休憩していたら先に行ってしまうという謎の行動で一緒に歩く時間は少なかった…。

ティプリン村から先は前半(ルビーバレイ)の難所「パンサンパス(Pansan Pass)3,830m」、富士山よりも高い峠越えである。しっかり紅茶を飲み、コーラやお菓子を買い込んで標高差2,000mの登山道を登っていくも、昨日の宿で飲んだホットウォーター(白湯)があたったのか、3人の仲間が腹痛と下痢で身体にチカラが入らない。
追い打ちをかけるように雨が降りだし、樹林帯を抜けるころには雪へと変わっている。

遠くに「越えていくはずの尾根」を見ながら樹林帯を登る

黙々と登り、気が付けば富士山の標高を越え、霧の先に峠のストゥーパ(仏舎利塔)やタルチョ(5色の旗)が見えてくる。
雲の中で眺望は無かったがヒマラヤらしい建物が感動を与えてくれる。

パンサンパス(Pansan Pass)3,830m
ストゥーパ(仏舎利塔)やタルチョ(5色の旗)
峠の眺望は無かったが富士山より高い標高に感動

峠を越えると宿泊地ソムダン(Somdang)3,258mまでは林道だが、なかなか標高を下げず長いフラットな道が続く。疲労と寒さと腹痛で距離が長く感じる。
途中、4,000m以上の高地に生息している「ヤク」を発見。この希少さでネパールのお土産店に売られている格安のヤクの編み物やミルクなどは本物なのだろうか?と改めて考えてしまう…。

「ヤク」4,000m以上に住むウシ科

日も落ちてきた頃に着いたソムダン村には段々畑も家畜も見えず人の気配がない。
物珍しさに人が集まってきた今までの村と様子が違う。一瞬「廃村で先に進まないとダメか」と思ったが、ガイドが村人とコミュニケーションを取ってくれ、この地区には2軒のホームステイだけがある集落らしく宿泊できることに。

その後も、夜や朝の食事の注文や部屋の要望をネパール語でテキパキと指示をしている姿は、ようやくガイドっぽく感じられた。

ソムダンのホームステイ

雪と疲労で冷え切った身体に薪ストーブがありがたかった。
今日も日の出から、日の入りまで歩き続けて疲労で熟睡。腹痛の3人はそれ以上に辛かっただろう。

ホームステイの食堂

【Day4】
今日は比較的ゆっくりで、3泊目にして初めての朝食。チベタンブレッド(チベットの揚げパン)、パンケーキにヒマラヤ蜂蜜とチャイ。
朝に練って揚げたてを出してくれてる。甘味が少なくて超素朴なんだけど、ネパールに行ったらまた食べちゃうんだろうな。

チベタンブレッドとパンケーキ


霧のなか、Khurpudada Pass3,710mの峠を越え、ここからはひたすら下り。林道とショートカットする整備されたトレイルとを交互に繰り返し、ガトラン村(Gatlang)2,250mまで降りる。見える景色は雄大だ。

ガトラン村はお祭りなのか街が騒がしい。曜日の感覚が無いけど、そういえば日曜日か。
人が出払っていてお婆さんしかいないカフェで
休憩。ミルクチャイひと口飲んだら「ん?」美味しいんだけど、このミルク、野生味溢れるというか無調整というか、濃くてほんのり甘い…。

案の定、自分もお腹がやられ、先にお腹を壊していた仲間には更に追い打ちとなり、1名を残してみんなお腹がやられていく。
※結局、その1名は最後まで無事な最強の胃腸だった。

標高が下がると村に家畜や段々畑が増えてくる

徐々に村や道が増え、街並みが見えてくる。
今日の宿は、シャブルベシ(Sybrubesi)1,503m。カトマンズからバスも通るちょっとした街で、ホテルもありビールが飲める。
歩いた距離は長かったが下り坂と文明へのモチベーションであっという間の行程だった。

シャブルベシの街

ここで日本の出発前に肉離れをし、前半ルートを離脱していた仲間と合流。
カトマンズから9時間の路線バスや、明日からの行程の為に高度順応で別の場所を大冒険していたらしい…。

暗くなる前に宿泊地に着け、この旅でやっと夕方に余裕があり、洗濯や明日からの行動食の買出しと、下痢なのにビールを楽しめた。
何よりもシャワーと便座のあるトイレがありがたい。

シャブルベシのホテル
お菓子と水とコーラを買出

ホテルに戻ると、スタッフの手際が悪かったようで、なぜかガイドさんが厨房でお手伝い。
聞けば、もともとはコックとして日本の登山隊などに帯同していてガイド歴はまだ5年。コロナ過で山にも行けてなかったみたい。
確かにご飯は旨い。

いよいよ、明日からフルメンバーで4,460mのゴサイクンドを目指して出発!

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